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新年おめでとうございます。町民の皆さまにおかれましては、輝かしく希望に満ちた令和6年「甲辰(きのえたつ)年」の初春をお迎えのことと心からお慶び申し上げますとともに、日ごろから町の様々な取組みに対しご理解とご協力を賜り、衷心より感謝申し上げます。
昨年を少し振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置付けられたことから、人流が活発化し、町にも活気が戻ってきた年だったと思います。
12月1日、2日にはニュー・グリーンピア津南を会場に、「第25回米・食味分析鑑定コンクール国際大会」inつなんを開催し、国内外から大勢の方々にご参加いただきました。お米生産者の技術力向上はもちろん、津南町の自然環境を生かした米づくりや町の観光PR、魅力発信にもつながりました。
また、津南の雪下にんじんとゴディバのご縁により、雪下にんじんを使った2種類のドリンクを発売し、雪がもたらすプラスの面を知ってもらい、その魅力を発信することができました。
一方、依然として続く物価高騰等が町民の皆さまの生活を脅かし、また、夏の記録的な猛暑が農作物の収穫に影響し、特にお米については、前年に比べ一等米比率が大きく低下しました。しかし、食味については大きな差はなく、消費者の皆さまに津南産米の美味しさをしっかりと伝えてまいります。
さて、長期的に見込まれる人口減少と高齢化が様々な面に影響を及ぼし、このままいけば地域経済が成り立たなくなるという危機感をもっています。10年後を見据えたとき、このまま平和的な衰退を選ぶのか、積極的に延命し、外の力も入れつつ町を維持していくのか、特異点化し、独自の存在になるのかという三つの道があると思います。私は首長として、平和的衰退の道は選びません。津南町には基幹産業である農業の他にも製造業、観光、そして教育と、地域や国で有力な産業が多く残っています。それらの産業を基軸とし、まちのグランドデザインを描き、子育て・教育環境を整え、稼げる町政の取組みを進めることで、持続可能なまちづくりにつなげたいと考えております。
私は、今後に向けて、子どもからおとなまで、「人が育つ」まちづくりを目指していきたいと考えております。来年度の具体的な事業は現在検討を重ねておりますが、規律ある歳出管理を行うなかで、子どもに寄り添ったまち、特色ある産業が持続的に育つまち、津南病院を軸に子どもからお年寄りまで安心できる医療・介護・生活支援を届けるまち、町民に寄り添い、地域が育つまちを重点項目として、町政を運営してまいります。そのためには、町民の皆さま、企業・団体の皆さま、そして議会の皆さまのお力添えが必要であり、引き続き、ご指導やご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
結びに、この1年が町民の皆さまにとりまして、福徳円満な年になりますようお祈り申し上げ、年頭のあいさつといたします。
令和6年1月1日 津南町長 桑原 悠