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田植え後の石垣田 |
結東集落の北側にある棚田は、石垣で何段にも組まれ、とても美しく全国農村景観百選にも選ばれています。
また令和4年には農林水産省の「つなぐ棚⽥遺産〜ふるさとの誇りを未来へ〜」にも選定されています。
この石垣は、鳥甲山と苗場山の溶岩(柱状節理)が崩れた落石を利用しています。石積みの高さは高いものになると3mもあり、村人の苦労が容易に想像できます。開墾が始まったのは明治25年(1892)頃で、秋山郷は稲作には厳しい環境とされていましたが、村人の強い思いがこの石垣田を作りあげました。水を山から水路を引いて確保し、稲作をはじめたこの棚田は、全国的にも貴重な存在であります。
現在は、周囲の農道が狭く大型機械が入れないため農作業が大変なことや村人の高齢化もあり、耕作されない田んぼが多くなってきています。そのため、保存会が発足し住民や行政と協力しながら保全活動を行うとともに、エコツーリズムなどと連携し農業体験も行っています。
石垣田の中を通る道はトレッキングコースの通過道路になっており、誰でも間近でその迫力と美しさを体感することができます。また、山ぎわ(溶岩壁下部のガレ場)には「風穴」が点在していて、エゾヒョウタンボクなど希少な植物が生育しています。
また、毎年6月には、石垣田にろうそくを灯すイベントも開催され、カメラマンをはじめ観光客のみなさまに好評です。
田植え前の石垣田は秋山郷の山々を映し出し、神秘的な美しさを感じます。 | |
大豊作を迎える秋の石垣田。秋山郷の山中に金色のじゅうたんが広がります。 | |
国道405号線と平行して走る東秋山林道より、石垣田の全景をとらえます。遠くから見るとその面積のすごさが分かります。 |