○津南町未熟児養育事業実施要綱

平成25年3月26日

告示第18号

第1 未熟児養育についての方針

未熟児は、正常な新生児に比べて生理的に未熟であり、疾病にもかかりやすく、その死亡率は高率であるばかりでなく心身の障害を残すこともあることから、生後すみやかに適切な処置を講ずることが必要である。

このため、医療を必要とする未熟児に対しては養育に必要な医療の給付を行うとともに、必要に応じて町保健師等により未熟児の保護者に対する訪問指導を行うこととする。

第2 未熟児養育対策

1 低体重児届出の徹底

未熟児の養育対策の万全を期すため、母子保健法(昭和40年法律第141号。以下「法」という。)第18条の規定による低体重児の早期届出の徹底を図る必要がある。

このため、妊娠の届出、母子健康手帳の交付、母親(両親)学級等の機会をとらえてすみやかに届出が行われるよう指導するほか、日本医師会、日本助産師会、日本看護協会等の積極的な指導協力を得るため、これらの団体との連絡協調を密にし、未熟児の早期把握に万全を期すること。

2 未熟児養育医療

(1) 対象

養育医療の対象は、当町に居住する、法第6条第6項に規定する未熟児であって、医師が入院養育を必要と認めたものとすること。

なお、法第6条第6項にいう諸機能を得るに至っていないものは、例えば、次のいずれかの症状等を有している場合をいう。

ア 出生時体重が2,000グラム以下のもの

イ 生活力が特に薄弱であって次に掲げるいずれかの症状を示すもの

(ア) 一般状態

a 運動不安・痙攣があるもの

b 運動が異常に少ないもの

(イ) 体温が摂氏34度以下のもの

(ウ) 呼吸器、循環器系

a 強度のチアノーゼが持続するもの、チアノーゼ発作を繰り返すもの

b 呼吸数が毎分50を超えて増加の傾向にあるか、又は毎分30以下のもの

c 出血傾向の強いもの

(エ) 消化器系

a 生後24時間以上排便のないもの

b 生後48時間以上嘔吐が持続しているもの

c 血性吐物、血性便のあるもの

(オ) 黄疸

生後数時間以内に現われるか、異常に強い黄疸のあるもの

(2) 診療上の留意事項

指定養育医療機関は、未熟児の医療が専門外にわたるときは、指定養育医療機関医療担当規程及び保険医療機関及び保険医療担当規則に定めるところにより、適切な措置を講ずること。

(3) 移送

指定養育医療機関は、移送用保育器及び酸素吸入装置を整備し、医師及び看護師の付添いのもとに救急自動車等により移送するよう配慮すること。

(4) 養育医療の申請及び給付

ア 給付の申請

養育医療の給付の申請は、母子保健法施行規則(昭和40年厚生省令第55号。以下「省令」という。)第9条の規定によるものであるが、その要領については次によること。

(ア) 申請者は、未熟児の保護者(法第6条第4項)であること。

(イ) 申請書は、養育医療給付申請書(様式第1号)によるものとすること。

(ウ) 申請書には、医師の記載した養育医療意見書(様式第2号)並びに世帯調書(様式第3号)及びその関係証明書を必ず添付させること。

イ 給付の決定

(ア) 町長は、申請書を受理したときは速やかに養育医療を給付するか否かを決定すること。

(イ) 養育医療の給付を行うことを決定したときは、省令様式第1号「養育医療券」を(以下「医療券」という。)を申請者に交付し、かつ、医療券に記載した指定養育医療機関にその旨を通知すること。

また、養育医療の給付を行わないことを決定したときは、すみやかにその理由を明らかにして、申請者に通知すること。

(ウ) 医療券の交付に際しては、申請者に対し、その取扱いについて十分指導するとともに、費用の負担等についてあらかじめ周知させておくこと。

(エ) 医療は、医療券を指定養育医療機関に提出して給付を受けることとなっているが、やむを得ない理由により、医療券を提出できない場合には、取りあえず医療を行い、その理由がなくなった後、すみやかに医療券を提出させること。

ウ 医療券の取扱い

(ア) 医療券の有効期間の記載にあたっては、その始期は当該指定養育医療機関による当該医療開始の日にさかのぼる取扱いとすること。

また、その終期は、当該医療の終了の日であるので、診療の終了予定期間に若干の余裕を考慮して記入すること。

なお、病院診療所用及び薬局用の医療券を併せて交付する場合における有効期間は、同一の有効期間とすること。

(イ) 当該医療を医療券の有効期間を過ぎて継続する必要のある場合は、指定養育医療機関は事前に養育医療継続協議書(様式第4号)により町長に協議すること。

なお、継続の承認決定を行ったときは、町長は養育医療継続承認書(様式第5号)により指定養育医療機関及び未熟児の保護者にその旨通知すること。

(ウ) やむを得ない理由により当該指定養育医療機関を転院する場合は、新たに申請を行うものとすること。

この場合の申請書には、意見書及び転院を必要とする理由を記載した医師の証明書を添付することとし、世帯調書等は省略して差し支えないこと。

(エ) 医療券を紛失又はき損した場合は、養育医療券再交付申請書(様式第6号)により申請させ、再交付すること。

(オ) 医療券の記載事項において居住地の変更、扶養義務者の変更等が生じた場合は、養育医療変更届出書(様式第6号の2)を申請者から提出させること。町長は、変更届出書を受理したときは、医療券を書換えの上、申請者に交付し、指定養育医療機関にその旨を通知すること。

(カ) 申請者は、次のいずれかに該当する場合は、医療券を、その交付を受けた町長に返還するものとする。

a 養育医療券による医療が終了し、又は当該医療を中止したとき。

b 未熟児が死亡したとき。

エ 医療の給付

(ア) 医療の給付は、現物給付によることを原則とし、やむを得ない事情がある場合にのみ現物給付にかえて、その費用を支給することとする。

(イ) 給付の範囲は、法第20条第3項に定められているところであるが、これらのうち移送の給付の取扱いについては、次によること。

a 移送は、入院又は医師が特に必要と認めた場合に承認するものとし、その額は必要とする最小限の実費とすること。

なお、移送に際し、付添いの必要があると認められる場合は、付添人の移送費についても支給して差し支えないこと。

b 移送費等の承認申請は、養育看護移送承認申請書(様式第7号の1)により、町長に行うこと。

なお、これに対する承認は養育看護移送承認書(様式第7号の2)により行うこと。

c 移送費等の支給申請は、各月ごとに、養育看護料移送費支給申請書(様式第8号の1)に当該費用の額に関する証拠書類を添えて、町長に行うこと。

なお、これに対する支給決定は養育看護料移送費支給決定通知書(様式第8号の2)により行うこと。

(5) 診療報酬の請求、審査及び支払

ア 診療報酬の請求は、省令第14条の規定に定めるところによる。

イ 診療報酬の支払は、町長が新潟県知事に新潟県社会保険診療報酬支払基金幹事長及び新潟県国民健康保険団体連合会理事長との契約権限を委任し、新潟県知事が締結した委託契約に基づいて行う。

(6) 徴収額の決定及び徴収

法第21条の4第1項の規定により扶養義務者から徴収する額の決定は、津南町養育医療の給付に要する費用の徴収又は支払命令実施要領に定めるところによることとし、その決定された額について徴収すること。

(7) 医療保険各法との関連

医療保険各法と本給付との関係は、その本人が医療保険各法の被扶養者等である場合は、医療保険各法による医療の給付が優先すること。

したがって、養育医療の給付は、いわゆる自己負担分を対象とするものであること。

(8) 台帳の整備

給付の状況を明確にするため、養育医療給付台帳(様式第9号)を備え付け、その状況を明らかにしておくこと。また、医療券を交付したときは養育医療券交付者名簿(様式第10号)を作成して整理すること。

(9) その他

給付継続中に階層の再認定を行った場合は、養育医療自己負担額変更通知書(様式第11号)により申請者に通知すること。

3 未熟児訪問指導

(1) 訪問指導の実施

法第19条の規定による訪問指導の実施にあたっては、医療機関等を通じて未熟児の症状等の把握に努めるものとし、指導内容は、当該医療機関の医師等の意見を聞くほか、特に合併症や後遺症、成長発育状況等に応じて適切な指導を行うこと。

(2) 訪問指導の対象者

未熟児は、通常養育上の必要性から訪問指導を必要とするため、出生したすべての未熟児を対象として訪問指導を行うことが望ましい。特に、未熟児養育医療の対象となった児を重点対象とすること。

(3) 対象の把握

訪問指導を徹底するため、常に低体重児の届出状況等を把握するとともに、医療機関等との連絡を密にし、対象の把握に努めること。

(4) 事後指導の徹底

町は医療機関との連絡を密にしながら、養育医療の給付を受けた者の事後経過について、未熟児事後追求調査票(様式第12号)により、医療給付の期間が終了した月から起算しておおむね3か月後、6か月後及び12か月後の各時期に、家庭訪問、健康相談、医師からの連絡等で得られた情報に基づき調査を実施する等事後指導を行う。

第3 その他

1 妊婦健康診査及び保健指導の徹底

未熟児の出生を防止するためには、未熟児出生の原因となる妊婦の疾病等の予防と早期発見に努め、早期に治療を行うことが必要であるので妊婦に対する妊娠中の定期的な健康診査及び保健指導の徹底に努めること。

2 医療機関等の協力

未熟児養育事業の円滑な実施を図るため、本事業に直接関係する医療機関はもとより、医療保健関係者等に対し、日本医師会、日本助産師会、日本看護協会等を通じて本事業の趣旨の周知徹底を図るとともに、積極的な協力を求めること。

3 広報活動

未熟児養育事業の実施については、未熟児医療にたずさわる医師及び助産師等の医療保健関係者はもとより、母子保健推進員、母子保健地域組織の構成員等に対し本事業の趣旨の周知徹底を図るほか、積極的な協力を求めて効率的な運営を図ること。

また、町民、特に妊婦に対し、本事業の趣旨の徹底を図り、母親(両親)学級等の保健衛生教育の場を通じて常に未熟児養育上の正しい知識とその方法を普及すること。

この要綱は、平成25年4月1日から施行する。

様式(省略)

津南町未熟児養育事業実施要綱

平成25年3月26日 告示第18号

(平成25年4月1日施行)

体系情報
第8類 生/第2章 保健衛生
沿革情報
平成25年3月26日 告示第18号